心斎橋は、華やかでモダンな若者の街のイメージがある一方で、古くからの繁華街として歴史のある味わいを残す街でもあります。
今回ご紹介するお店はオシャレで華やかな最新の横文字洋風レストランと言うよりは、歴史と伝統があって、激しい時代の流れと熾烈な食の生存競争に勝ち抜いてきた人気店、浪速っ子に愛され続けてきた、もしくは、今後愛されていくであろう洋食の名店をご紹介します。
三世代を生き抜いた名店。絶品オムライスが自慢「明治屋」
昭和元年に創業した心斎橋の名物洋食店。
太平洋戦争時下「洋食」の風当たりが強かった時代も庶民に愛されヤミで営業するなど苦難の時代を乗り越え、心斎橋名物店にまで成長した洋食の老舗中の老舗。
昔ながらのオムライス(710円税込)は平成、令和と時代を越え、地元の人に愛されています。
この店を抜きに浪速の洋食を語るなかれ。心斎橋を初めて訪れたら、まずはこのオムライスをご賞味下さい。
こちらも名門。ミナミのハンバーグと言えばココ「重亭」
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終戦直後、地域の炊き出しを手伝っていた店主が、地元の方の紹介で現在の店を開業以来、60年以上の間、地元の人々の食を支えた欧風料理店です。
素材は国産のものを使った伝統とこだわりの一品ハンバーグステーキ(1,200円税込)は絶品。また食通として人気の作家・池波正太郎もお気に入りだったヒレ肉のテキ(3,950円税込)も一度は贅沢ランチで食べてみたい至高のメニューです。
歴史の風格とモダンさが調和した人気の洋食屋「グリルばらの木」
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創業50年のこちらも老舗の名店。
特徴的な店舗は昭和のモダンな喫茶店を彷彿させる、今ではめったに味わえない趣き深い空間となっている。
「綺麗に改装しようと思ったんだけどお客様に止められて…」とおっしゃる店長さん。むしろこの雰囲気を愛するお客さんの気持ちの方がわかります。
平日ランチのハンバーグと鯛クリームコロッケ(1,200円税込)はコスパも優れた絶品メニュー。こちらも行くしかありませんね!
オムライス発祥の地「北極星心斎橋本店」
北極星は日本でのオムライス発祥の地として知られています。
大正14年、先代、北橋茂男氏がケチャップライスを薄焼き卵で包んだ特製料理を馴染みのお客にふるまったのが最初と言われています。
建物は昭和25年に建てられた心斎橋本店は純和風の日本家屋、高級料亭のような趣で、どんなお値段の料理になるのだろうと思いきや、人気の定番チキンオムライスはなんと780円。
時価で価格変動があるとはいえ、ランチでこの価格帯であることには驚かされます。
もはや観光として十分に楽しめるシチュエーション&価格で旅行者なら確実に抑えたい名店です。
歴史と伝統の一品。お値段も良心的な名物カレー「自由軒」
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時代はさらに遡ります、こちらは明治43年、大阪初の西洋料理店としてオープンしたこの自由軒。
歴史が育んだ本物の味が楽しめます。
特製ルーとご飯を混ぜ合わせ、真ん中に卵を乗せた「名物カレー」(750円税込)はすべて天然素材、合成着色料を使わない、自由軒を代表する一品。
他にも「別カレー」(世間一般によく見るご飯にルーがかかっているもの)や「ハヤシライス」も大人気。ここも洋食通なら絶対に外せない名店です。
目の前で調理してくれる、こだわりのハンバーグ人気店「ボストン」
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こちらは1952年創業の伝統店であるのもさることながら、庶民に親しまれるハンバーグをランチならセットで、お替り自由のライスか胚芽パン、スープ、サラダセットのお値頃価格(1,150円〜)で提供しています。
カウンターの目の前で調理して焼き立てハンバーグを楽しめます。
心斎橋には一日6名までしか入れない特別店舗もあり、一度は訪れてみたいですね。
王道の洋食メニューの数々。こだわりのランチを「レストラン乃呂」
こちらも創業60年の老舗レストラン。
初代店長はなんとメニューもレシピも残さず、お客様の要望を聞いて閃きで作ったという伝説の料理人。
三代目が切り盛りする今でも、洋食へのこだわりは継承されています。
ランチもハンバーグ乃呂風(2,000円)、和牛ロース網焼き(2,800円)とお値段も本格的ですが、特に牛肉の網焼きは究極の逸品。
多くの常連さんも結局はこの品に戻るという通好みの味です。
今でも輝き続ける人気の名門洋食店が集う心斎橋
大阪心斎橋には歴史と伝統を誇り、庶民から愛される洋食店が数多くあります。
中でも人気の高いお店をいろいろな角度からチョイスしてみました。外食産業は今、とても厳しい状況にあります。
にも関わらず、長い長い間、それこそ親子3代に渡って愛されてきた名店には、時代の趨勢を越えた、人が通いたくなる魅力があるからこそ、この不況下でも元気に営業を続けてこれたのだと思います。
その魅力の一端をまずはお手軽価格で是非味わってみて下さいませ。